「ひぐらしのなく頃に」における重要な設定である「雛見沢症候群」という寄生虫由来の感染症が存在します。
この病気に対して研究するため、極秘組織である「入江機関」が雛見沢において活動しています。平時は一般的な診療所「入江診療所」として偽装活動をしており、村民の健康相談に乗りつつ雛見沢症候群にかかわる情報を収集しています。
今回は、作中において数多くの惨劇の引き金となった雛見沢症候群を研究する「入江機関」について解説します。
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入江診療所とは
上述の通り、雛見沢で開院している診療所で、内科から一般外科まで幅広く手掛けています。人口に見合わないほど立派な建物と充実した設備、多数のスタッフを有する診療所です。
所長の入江京介や看護師の鷹野三四を始めとしたスタッフの勤勉さから深い信頼関係を築き、村民でもないにもかかわらず広く受け入れられています。
入江機関とは
入江診療所の真の姿であり、雛見沢に古くから土着している風土病である「雛見沢症候群」の研究を行う防衛庁(現:防衛省)傘下の秘密組織です。雛見沢症候群の軍事的な価値を見出した政府内の一派が秘密裏に運営しており、一般には非公開の組織です。
基本的には研究を目的とした機関ではありますが、雛見沢症候群の兵器転用を目的としているため軍事的組織がイニシアチブをとるべきとの考えから、入江や鷹野は暫定的に陸上自衛官としての階級を付与されています。
また、取り扱う研究材料の特性上、機密保持のための各種工作が必要なケースが想定されており、第733装備実験中隊、通称「山狗」と呼ばれる陸自の特殊部隊が配備されています。山狗は自衛隊の部隊の一つではありますが、様々な工作を専門とした諸職種混成部隊です。
構成員
所長:入江京介
入江機関における役職は機関長であり、階級は二等陸佐(中佐相当)を付与されています。
とはいえ軍事的な訓練は受けておらず、機関長というポストも後述の鷹野が実質的なトップであり、お飾りの所長であることを本人も認めています。
もともとは脳外科医であり、脳を外科的に処置(ロボトミー手術)することで精神疾患の治療を目指す立場を取っており、学会でも異端者でした。やがてロボトミーが倫理的に問題ありとして使用されなくなると、入江も立場が極めて弱くなります。
そこに目を付けたのが後に入江機関を設立する派閥、通称「アルファベットプロジェクト」です。人の脳に寄生し行動を操る寄生虫の研究とその治療法の確立は、まさに入江が求めていたことであり適任であると判断されたのです。
彼は基本的には善人であり、雛見沢症候群の撲滅のために尽力する若き医師です。ただし研究のための数多の動物実験や、生きた発症者の解剖などを行っており、手が汚れていないとは言えない人物でもあります。
鷹野三四
入江診療所では看護師として勤務していますが、実態は入江機関の実質的トップの女性です。
彼女は複雑な生い立ちを持ち、本名は田無三代子と言います。幼少期の彼女は両親を失った後の紆余曲折の末、雛見沢症候群の発見者である故・高野一二三に引き取られ、彼を祖父と慕い一緒に研究の手伝いをしたいと望んでいました。。
しかし、祖父は研究が見向きもされず失意のうちに自死してしまったため、祖父の敵討ちとして雛見沢症候群の重要性を役人に理解させようと奔走します。鷹野の働き、および故・高野一二三の知古にして政府内の要人の小泉氏の支援により、雛見沢症候群の本格的な研究が開始されます。
しかし、女性を機関長とすることを良しとしない意見から、入江が雇われ所長の座に据えられ、鷹野自身は一スタッフとして勤務することになりますが、実態は鷹野が機関長であり、入江はお飾りの所長であると自他ともに認めています。
小此木
入江機関付の部隊である「山狗」の隊長を務める陸上自衛官です。階級は二等陸尉(中尉相当)であり、混成部隊である山狗の中でも戦闘職種の隊員です。
格闘技術の高さや、キルハウス(CQB訓練用施設)の修了者であることから、普通科(諸外国でいう歩兵)出身と思われます。作中年代当時の自衛隊では、近接戦闘の訓練をしていなかったため、小此木の原隊がいかに先進的な部隊だったかが分かります。
雛見沢の隣町「興宮」にてフロント企業の「小此木造園」を経営しており、造園業者として頻繁に雛見沢に出入りしています。
粗暴な態度を取りがちではあるものの頭の回る人物であり、緊急時に狼狽えがちな鷹野をサポートします。
少なくとも数回の連続怪死事件に関わっており、目的のためには人を死に追いやることを厭いません。
かといって完全な性格破綻者というわけでもありません。部下からの信頼は厚く、祭囃し編の終盤での山狗隊員たちは、指揮官である鷹野ではなく、高野よりも二つ下の階級である小此木の指示に従っていました。
施設
地上部分は診療所として偽装されており、通常の診療を行う設備が整っています。
入江や鷹野以外のスタッフも看護師や事務員として勤務しており、傍から見ると、村の規模の割には立派な診療所としか分かりません。
入江機関の真の姿は地下区画にあります。
研究施設を有する地下区画は、地上部よりも遥かに広大な面積を持ち、雛見沢症候群の研究のために最新の設備を導入しているのはもちろん、発症者の収容のための拘束装備や、解剖のための設備もあります。
その他に、施設保安要員である山狗隊員の詰所や、有事の際の作戦指揮所も併設されています。また兵器転用が可能な病原体の研究をしている関係から、施設警備用にMP5シリーズの短機関銃や拳銃をはじめとした軽火器から、RPG-7のような対戦車火器まで保有しています。
地下区画には戦闘訓練を受けた隊員数名が常時警備についており、さらに侵入された場合には鎮圧用のガスが撒かれるという徹底ぶりです。機甲戦力や航空支援でもない限りは、制圧に非常に手間取るでしょう。
また、施設放棄時には重要区画を浸水させる措置が取られるため、気密性が極めて高い頑丈な構造をしています。
以上のことから、基本的には外部から侵入するのは不可能な要塞となっています。
その他
入江機関はその性質上、極めて高い防諜能力を持っています。
山狗の活動は警察内部にまで入り込み、雛見沢症候群に関連すると思われる事件の早期察知のほか、不都合な証拠のもみ消しなども行います。
また、村の通信網の破壊や道路封鎖も可能であることから、入江機関のパトロンである「東京」からは不適切な運用をされる危険性も考慮されています。
その首輪として機能するのが、年に数回雛見沢を訪れる富竹ジロウです。彼もまた陸上自衛官であり、小此木とは所属が異なるものの、同じ階級の二等陸尉です。監査役である彼の働きにより入江機関が適切に運用されているかが評価されています。
とはいえ、万が一の造反の際には「番犬」と呼ばれる鎮圧部隊が対処に当たります。
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